麺ごころ祐庵
岡谷市
「佑庵ラーメン」(650円)
昭和のレトロな空間で進化するラーメン
木のカウンターの真ん中には、
「ボーン、ボーン・・・」と時を告げる柱時計。
さらに、照明は乳白色のガラス傘の裸電球、
板張りの床も昔の小学校のようで、
店内には昭和の良き時代が漂っている。
そんな店の主人が横内克典さんで、
和食の修行後、2007年6月に開店した。
独立時に「和食」を選択しなかったのは、
「客層が限られて、商売として成り立たないからです。
ラーメンだったら、男女を問わずに子どもからお年寄りまで、
気軽に寄ってもらえます」。

さらに、大きなきっかけもあった。
「養鶏所の友人から、
信州黄金シャモの鶏ガラを提供できると声をかけられて。
鶏ガラといえば、やっぱりラーメンでしょう!」。
このシャモの特徴は、力強い味が引き出せること。
また、生産者の顔が見える安心な素材に意義があったという。
まずは、ラーメンの決め手となるスープをどうするか。
開業前には、自宅に仮設厨房を作って試行錯誤の日々。
「鶏ガラだけで和風感覚のスープを目指していたのですが、
何か物足りない。現在の味とは、全くの別物でした」。
ある時は、洋食を営む友人からのアドバイスで、
チキンブイヨンの手法を取り入れたが、これも今ひとつ違う。
そうこうして、ようやく辿り着いた基本のスープは、
しっかり煮込んだ濃くのある白濁仕上げ。
ほぼ5、6時間かけて煮込んだ鶏ガラスープに、
「野菜のポタージュ」と「魚介のスープ」を加えた。
前者は、たまねぎ、にんじん、じゃがいもなどの
野菜をごま油で炒めて煮込み、ミキサーにかけたもの。
後者は、カツオ節や煮干し、干ししいたけなどを煮込んでいる。
「化学調味料は一切使用しない、無添加の体にやさしいスープです」。
一方、麺の製造は専門業者に託しているが、
純国産の小麦100%を使って、極力カンスイを抑えた特製の麺。
しかし、スープと同様に麺も試行錯誤で、
これまでに何回も業者へのオーダーを替えて相性を追求している。
冷たい麺を温かいスープでいただく「つけ麺」(750円)は2種類。中太麺の「追いガツオ」と平打ち麺の「まろしょうゆ」。写真の「追いガツオ」は、仕上げにカツオ節の粉末をたっぷり振った風味豊かな味わい。
ラーメン作りはどの工程も気が抜けないと言う横内さんだが、
「特に」と尋ねると少々意外な答えが返ってきた。
「温かさを一定に保つことは結構難しい。
一度、『スープがぬるい!』と言われてショックでした」。
また、スープの味を日ごとに微調整することも大変だとか。
季節や天候、湿度にいたるまでに気をくばって、
その日のスープの味を決めているという。

まだまだ、自分のラーメンを完成させているとは思わない。
これからも、進化を目指したいと話す横内さんは、現在、
「吟醸味噌ラーメン」や「蔵出し醤油ラーメン」を模索中。
「名前を、先に決めちゃいました(笑)。
そこから、イメージを膨らませて試作の真っ最中。
上質な素材を活かした一杯に仕上げたいです」。
新作が品書きに登場する日も、そう遠くのことではなさそうだ。
乞う、ご期待あれ!
住所:長野県岡谷市本町3-1-3
電話:0266−22−6115
営業:11〜14時30分・17時30分〜22時30分
休み:火曜
駐車場:20台
カード利用:不可


