初めてなのに懐かしい
心の原風景・棚田

山々に囲まれたのどかな田園が広がる信州。
田植えの季節を迎え、田園には水が引かれ、各地で田植えの様子を見ることができます。
山国の信州は、斜面を利用した棚田の多い地域。初めて見てもどこか懐かしい気がしてきます。「日本の棚田百選」にも選ばれている、信州の3つの棚田の風景をご紹介しましょう。


■名月の里 千曲市 更級(さらしな)・姨捨

〜わが心慰めかねつ更級や姨捨山に照る月を見て〜

905年に完成した『古今和歌集』にこの歌が掲載されているように、名月の里として千曲市の姨捨は古くから知られていました。
江戸時代の中頃から明治時代初期にかけ、この地に棚田が開発されると、ここで見る月は「田毎の月(たごとのつき)」と呼ばれるようになったんですって。
この「田毎の月」とは、田の一つ一つに、月の姿が映るかのような情景を表した言葉。対岸の鏡台山(きょうだいさん)からのぼる名月と月影を宿す棚田が美しい場所なんですよ!

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松尾芭蕉は、ここで中秋の名月を眺め、地名の由来ともなっているこの地の姨捨伝説を偲び、こんな句を詠んだそうです

〜おもかげや姨ひとりなく月の友〜

他にも、この地を題材とした、数々の俳句や和歌が詠われています。美しい景色を見ると、きっと詠わずにはいられないんでしょうね。

姨捨は、月もさることながら、JR篠ノ井線の姨捨駅(日本三大車窓のひとつ)や姨捨サービスエリアから、善光寺平のすばらしい夜景が眼下に広がる、信州随一の夜景スポットでもあります。

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こんな姨捨の魅力がたっぷり味わえる、バスによる姨捨夜景ツアーも行われていますよ。鉄道好きなら垂涎もののスイッチバックの様子が見られるほか、地元千曲市のフルーツジャムのお土産まで付いてくる盛りだくさんの内容です!

姨捨夜景ツアーはコチラ≫

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■昔ながらの山村風景 白馬村 青鬼(あおに)

国道148号線から山間に入り、ふっと開けた場所にあるのが青鬼集落。
石仏群が出迎えてくれる集落に入れば、まるで機械文明のない昔にタイムスリップしたような気分が味わえますよ。萱葺き屋根の主家が立ち並び、集落の東側には美しい棚田が広がり、どこからか「ガッタリ」の、バッタン、バッタンとの力強い音が聞こえてきます。(ガッタリとは水力でモミをつく昔ながらの農具です)

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左:青鬼地区見学は歩いて周るのがルール
右:ししおどしの様な原理を利用するガッタリ

そしてなんとも美しいのが、棚田越しの五竜岳や唐松岳のため息が出そうな素晴らしい景色。きっと古の人々も同じ風景を眺めていたんでしょうね。

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※豆知識
ここ青鬼では、古代米の一種である「南京香稲(なんきんこうとう)」と「朝紫」の2種が栽培されています。濃い紫の色を持つこのお米は、普通のお米と比べ収穫量が半分程度の貴重品。四方が山に囲まれた青鬼地区は、他の品種と交配されにくく、古代米の栽培に適した地形でもあるんですよ。

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■ユニークな案山子に合いに行こう 飯田市千代 よこね田んぼ

飯田市街地の南東部、のどかな丘陵に広がるのが、よこね田んぼ。
ここが、かつて「よこね」と呼ばれていたため、この名が付いたという説が有力ですが、田んぼの形が横に長く曲がりくねっていたことから「横畝(よこうね)田んぼ」とも呼ばれたり、漢字の「横根」が使われたりしたとか。

実はこの棚田、農家の高齢化などにより、一時期は約4割が休耕田となっていましたが、平成9年に「棚田をこの地の財産として後世に受け継いでいこう」と地域の皆さんによる保全活動が開始されました。

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有志の「よこね田んぼ守り隊」や地元の児童たちが、活動の中心となり、県外の修学旅行生も農村体験としてこの田んぼを訪れます。都会で田んぼに触れることなく育った子供達にとっては、田んぼは未知の領域ですから、みんな張り切って作業を楽しんでいますよ。

そしてここの風物詩ともいえるのが、秋の田んぼに現れる「カカシ」たち。
地元の児童らの手で作られた、ユニークな数多くのカカシが、黄金色の田んぼに花を添えます。そんな美しく、のどかで微笑ましい風景を見られるのは、ここならではですね。

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よこね田んぼについてはコチラ≫


信州ではこの3つを含め、「日本の棚田百選」に全国で最も多い16の棚田が認定されています。
初夏の緑まぶしい信州、美しい里山の棚田のある風景を巡ってみてはどうですか。

長野県内の「日本の棚田百選」についてはコチラ≫

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